A28:ピエゾアクチュエータの種類について当社技術資料から一部を抜粋し、ご説明させていただきます。
ピエゾ素子にはさまざまな構造のものがありますが代表的なものついてご紹介します。
ピエゾ素子は電気的には容量性負荷なので、駆動ピエゾドライバの選定には注意が必要です。
ピエゾドライバの選定方法については「Q10:ピエゾドライバの選定方法について」や
トータル技術資料をご参照ください。
【積層ピエゾアクチュエータ】
圧電材料を薄く積層しそれぞれに電極を配置することで駆動電圧を低くしたタイプです。
特徴
・最大変位量は全長の 0.1%程度
・発生力が大きい
・高速応答性
・低駆動電圧
注意点
・静電容量値が比較的大きい
・変位軸の圧縮方向以外の外力「引張り、片当たり、トルク、曲げ 等」に弱い
悪い設置例(矢印は外力)
特にピエゾアクチュエータをダイナミックに振動させる用途では、
慣性力などの影響で不用意な外力がピエゾアクチュエータに働かないよう注意が必要です。
通常はピエゾアクチュエータへ予圧を与えたり、変位を正確にワークへ伝達するガイド機構などを
用いることで危険な外力を抑制します。
【バイモルフピエゾアクチュエータ】
ピエゾ板を 2 枚張り合わせた構造で、一方は長手方向に伸び、もう一方は縮む動作をすることで屈曲変位します。
特徴
・変位量が~数 mm と大きい
注意
・発生力は小さい
・応答速度は数百 Hz 程度
・動作が円弧状
応用例
・織り機の糸制御、バルブ駆動、圧電ポンプ
【チューブタイプピエゾ】
円筒型のピエゾ素子の内面と外面に電極を配置します。
外側の電極を分割したものはバイモルフピエゾと似た動きとなり屈曲変位を発生させます。
3 軸動作する素子もあり、SPM顕微鏡・インチワーム・ミラー制御 などに用いられています。
【ガイド機構、および変位拡大機構】
ピエゾアクチュエータの変位を下図のような一体弾性ヒンジを用いたガイド機構に伝達します。
単一の素材から高精度加工された機構は、「優れた直進性・摩擦レス・磨耗レス・バックラッシュレス・高剛性」等の
特徴をもって高分解能な動きを得ることができます。
また、下図の A・B の長さを変化させることで変位倍率を得る事ができます。
特徴
・大きな変位量が得られる
・ピエゾの静電容量値を小さく抑える
・高い直進性
・機構に機械的ロスが無い
・高い変位分解能
ピエゾアクチュエータについて他にも詳しく説明させていただいている技術資料や
Q&Aがございますので、ご興味がございましたらご覧ください。
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