A13:積層圧電アクチュエータ(ピエゾ素子)を使用する環境についての注意点をご説明します。
①湿度の問題
当社で使用している積層圧電アクチュエータ(ピエゾ素子)は下図のように
薄いセラミックと電極の層が積み重なってできています。
電極間に湿度による水分が入ることにより、ショートが起こってしまい焼損して故障してしまう可能性が高いです。
また、液体が掛かるような状況を除いて、吸湿による故障は基本的には直ぐに起こらず、
どのタイミングで故障するか分かりません。
例)
冬季、暖房の効いた室内から屋外へ運び出すときの急激な温度変化による結露
積層圧電アクチュエータ(ピエゾ素子)イメージ図
②使用可能温度について
当社で使用している積層圧電アクチュエータ(ピエゾ素子)は、基本的に使用温度範囲が-25℃~+85℃となっています。
周囲の温度や連続駆動によるピエゾの温度上昇を含め、使用温度範囲を超えない様に注意が必要です。
使用温度範囲を広げたい場合や湿度対策などに不活性ガスで満たした金属封入タイプピエゾもあり、
こちらは使用温度範囲-40℃~+150℃まで対応可能な製品もあります。
③粉塵について
当社ピエゾアクチュエータ、ピエゾステージは拡大機構を使い、微小な変位を拡大しています。
この拡大機構は非常に小さいスリットなども設けてあり、粉塵やほこりが入り込むことで
変位が阻害される可能性があります。
又、静電容量型センサ内蔵品の場合、センサとターゲット間に異物が入りますと変位測定に
影響が出る場合もありますので、出来る限り粉塵等が掛からないようにしてください。
④真空環境について
真空環境下で使用される場合、当社で使用している積層圧電アクチュエータは
100~0.1hPaの環境下ではリークし破損する可能性があります。
他にもピエゾアクチュエータ、ピエゾステージについて説明させていただいているQ&Aや技術資料がございますので、
ご興味がございましたらご覧ください。
【 Q13:積層圧電アクチュエータ(ピエゾ素子)を使用する環境について】に関連があるQ&A
Q1:ピエゾアクチュエータを駆動するには?◆
Q2:オープンループ制御・クローズドループ制御とは?◆
Q3:ピエゾドライバ(ピエゾコントローラ):オフセット電圧って?◆
Q5:オープンループとクローズドループでのヒステリシスの違い◆
Q6:オープンループとクローズドループでのクリープの違い◆
Q8:ピエゾアクチュエータの共振周波数について◆
Q9:ピエゾアクチュエータの発熱の問題について◆
Q10:ピエゾドライバの選定方法について◆
Q12:ピエゾアクチュエータを選ぶのに必要な仕様条件◆
Q14:ピエゾアクチュエータの発生力と発生変位◆
Q15:ピエゾアクチュエータ、ピエゾステージの位置決めの精度とは?◆
Q16:ピエゾアクチュエータの固定について◆
Q17:ピエゾアクチュエータ(ピエゾ素子)の駆動方法について◆
Q18 当社ピエゾドライバ、ピエゾコントローラの使い方について◆
Q22:矩形波(step波形)での駆動の際の注意点◆
Q26:ピエゾアクチュエーターとは◆
Q28:ピエゾアクチュエータの種類◆
技術資料
トータル技術資料◆
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